概要（背景やコンセプト）

JRと都営新宿線の連絡口で「駅前から徒歩0分」という好立地物件で、ホテル建設の企画から新築マンションへ。そのバックボーンを思わせる高級感あふれるデザインで、夜になると一層の輝きを放つ。周囲の雑然とした街並みの中で「ひときわ輝くアクセントとなり、より美しい街並み形成へのトリガー」という想いを具現化した八幡二丁目マンションの事例を紹介。

デザインでの工夫やポイント

スポットライトを点在させ、光壁とデザイン格子を用いることで「魅せるエントランス」を演出。バルコニーの手すりは、透き通るガラス・曇りガラス、そしてミラーのように街並みを映し出すという3種類のガラスを駆使。日光の当たり方や見る人の角度、1日の時の流れに応じて表情を変える。雑然とした風景にひときわ目立つエントランスやバルコニー手すりのマンションが溶け込むことで、街並み全体をアップデートに誘う工夫を凝らした。

土地のポテンシャルを活かし、資産価値を高める

オーナー様の要望を叶えるため、資産性とデザイン性を追求。そこで、「駅から徒歩0分」という交通の便を活かすべく、各種法令を読み解き最適な事業性を提案することで資産価値を大幅に向上させた。また、106部屋で高さを14階内で収め、コストの抑制にも成功した。

苦労した点と解決方法

計画地は交通の要所道路に隣接し、下には地下鉄が走っており、万が一のことがあれば多大な影響を及ぼすため、当グループの粋を集めて工事プロジェクトを立案。現場が安全に動ける環境を整備した。また、間口が狭く奥まった土地形状を存分に活かし、正面を美しく魅せつつ住居部分などは奥に広く設計。大胆かつ、きめこまやかなプランニングで仕上げた。

設計でのこだわりや挑戦

通常、「長方形の部屋」で室内レイアウトを住居者が決めるパターンが多い中で、不利な土地の形状やエレベーターの設置条件を逆に利用。ホテル的発想で、ベッド空間などをあらかじめ固定する「提案型」の部屋を13室用意した。チャレンジングな部屋づくりとなったが、先行して応募が集まり早期に満室になる結果に。メリハリを効かせた予算配分で、豪華さとコストを両立させた。

設計者　株式会社リンクス・ビルド　一級建築士　金森 主計