概要(課題や背景、施主様の要望)
交差点に面した角地という立地。建築基準法の斜線規制をクリアしつつ景観条例にも従う必要性があるという課題があった。施主様の要望は「モノトーン調の外観」「専有部のデザイン性」と資産性の両立。江戸時代に石置場だった同地のバックボーンを彷彿とさせつつ、“江戸風情とアーバンテイストの融合”として仕上げた。
コンセプトやデザイン
全体的にシンプルなモノトーン調でまとめ、モダンさを表現。景観条例の制限内で白と黒のバランスを検討し、メリハリをつけた。サインには間接照明を用いて、ブティックをイメージさせるような高級感を演出。エントランス内部は幾何学模様の立体的なタイルを用いて切り出した石を想起させる輝く素材を配置し、石置場だった江戸の風景をイメージさせるデザインにした。建物をスタイリッシュに見せるブラックミラーのガラス手すりは、現代の江戸の街並みを映している。
きめ細やかな工夫について
壁面の一部を植栽し、生命の息吹を添えることで入居者とともに通行人にも潤いと癒やしをもたらす工夫を凝らした。また一般的に日照面やセキュリティ面で不利になりがちな1階の間取りを広く確保し、対面キッチンや専用庭を設けるなど居住性を高める事で付加価値を与えた。
設計の上でのポイント
施主様からの要望は、資産性に加えてデザインと機能の追求。要望を叶えるため、計画段階からショールームを一緒に訪問し、インテリアに直接触れながら質感などを共有した。室内の特徴は、キッチンを廊下側に単独で設けるのではなく、あえて洋室の中に「見せる家具」としてレイアウト。オールステンレスキッチンにすることで、ホテルのような高級感をもたらした。また、間口を広く計画し入居者の満足度をさらに向上。
周辺は昔の建物が立ち並ぶ下町風情が色濃く残る立地条件。その中で積石によるモダンなファザードやエントランスの光の演出により、人々の注目を集めるマンションに。施主様とコミュニケーションを密に取りながら仕上げていき、大いに満足していただける結果となった。
設計者 株式会社リンクス・ビルド 1級建築士 大野 正樹
物件詳細
住所 | 東京都 江東区 古石場 2-17-6 |
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構造 | RC |
階数 | 7階 |
種類 | 共同住宅 |
タイプ | 1R (6戸) 1K (22戸) |
交通 | 東京メトロ東西線 門前仲町 10分 東京メトロ東西線 木場 10分 |