概要(背景や課題など)
「北側住宅地かつ6.5mに満たない前方道路幅員で、500㎡を超過する600㎡の敷地面積」という立地条件に対し、左右対称の2棟のマンションを計画。建築基準法などの関連法規および地域条例による開発規制に対応しつつも建設コストを抑制し、容積率240%を達成。収益性を確保しただけでなく街を彩る美しさもカタチにした。
外観デザインの工夫
特徴は何と言っても、2棟の左右対称バランスのとれたマンションという点。正面のエントランスには階段やエレベーターが配置されているが、エレベーターシャフトの途中までを石目調で整えて脇をルーバー状にした。道路に直面するエントランスにボリューム感を持たせたことで外観の存在感が増大。また、2棟のつなぎ目となる位置にはシンボルツリーを定植させてシンメトリーの美しさをより一層引き出した。
カエルのモニュメントでアクセントを
エントランスの部分に、バリ島の石材からカエルのモニュメントを造りアッパーライトで照らし遊び心あるアクセントを演出。「入居者様みんなが無事に帰宅(カエル)ように」という語音と、風流な時代の日本建築を思わせる“鬼瓦”や沖縄建築の“シーサー”のようなアニミズム的な意味合いを持たせ、文化に対する尊びを大切にした。また、入居希望者にマンションを案内する際のコミュニケーションアイテムとしても機能。
設計者の想い
「建物に対していかに愛情を注ぐか」をモチベーションに据え、設計上での規制などを苦労や縛りと捉えず創意工夫の源泉にしている。クライアントの想像を超えるユニークかつチャレンジングな提案は、丁寧な説明で設計の意図を伝えながら、物件としての美しさと機能性も両立させている。また、照明に工夫を凝らすことで、昼の顔つきだけではなく夜の表情の演出にも力を注いだ。ライトアップにより光と影のコントラストを生み出すことで、街へ輝きをもたらしている。
設計者 株式会社リンクス・ビルド 一級建築士 島田 義之
設計協力 SUNAO設計 一級建築士 山口 淳 様
物件詳細
住所 | 千葉県船橋市本町7-10-24 |
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構造 | RC |
階数 | 10階 |
種類 | 共同住宅 |
タイプ | 1K(29戸) |
交通 | 東葉高速線 東海神 5分 JR総武線 船橋 6分 東武野田線 船橋 6分 京成線 京成船橋 8分 |