概要(背景や目的、課題について)
2013年に建築されたマンションを所有する既存のお客様が隣地を取得したことから、増築の依頼を受ける。「新旧の建物を異質にしたくない」というお客様のご要望に対して、既存建物と増築マンションの廊下をつなげるという工夫でクリアし、さらに機能性も高めた。また、前面道路が4m未満の為に新築扱いでは240%だった容積率を、増築対応のご提案により400%に引き上げることを可能にするなど、新たな価値を創造。さまざまな制約を強みに変え、収益性を向上させた増築マンションの事例を紹介する。
オーナー様からも居住者の方からも喜ばれるマンションに。
既存マンションよりも大きな居住空間(洋室7~8畳、25㎡)を確保し、居住者の方の満足度を高めることで賃料をアップし、収益性を押し上げた。サブリース会社を通じた4年間固定家賃で、当初の収支表より1割ほど高い利益をもたらしている。また1階に飲食店のテナントを入れることで、居住者の方から好評を博すとともに建物全体の収益性も続伸。オーナー様から喜びの声が上がっている。
デザイン、設計で特に配慮したポイント。
外観的に「明るさ」を表現するため、バルコニーに乳白色のガラス張りを採用した。自然光を取り入れやすくするとともに、床もホワイトにすることで明るさを強調。また、外装を石肌のタイル張りにすることで、既存マンションとの統一感を醸成する。1階の店舗ゾーンの玄関付近は人の出入りが多く使用頻度が高いことを想定。施工直後は美しくても使用により経年劣化する光沢感のあるタイルを使わず、素材を石張りにしてなおかつ経年で味が出るようザラザラした質感をもたらすバーナー仕上げにした。なお、住宅の玄関はスクラッチ仕上げ。
店舗と住宅ゾーンの過干渉を防ぎ、ほど良いバランスを。
1階部分の玄関が、道路に対して住居と店舗が並列するため、石の塀を立てることで緩衝材に。ただし、完全に分断するのではなくフィルターのように「足元を隠す」という手法でほど良いバランスを保持。住居と店舗の双方が満足する設計を実現した。
設計者 株式会社リンクス・ビルド 一級建築士 島田 義之
設計協力 大浦 忠義 建築計画事務所 一級建築士 大浦 忠義 様
物件詳細
住所 | 千葉県船橋市本町5-6-12 |
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構造 | RC |
階数 | 9階 |
種類 | 複合住宅 |
タイプ | 1R(14戸) 1K(28戸) 1LDK(2戸) |
交通 | JR総武線 船橋 3分 東武野田線 船橋 3分 京成線 京成船橋 6分 |